今回の本は、退院したその日からはじめてのお世話レッスンも含まれており、0歳から3歳までの発達と生活リズム目安カレンダーから予防接種スケジュールまであります。
- ざっくり目次
月齢別心と体の成長乳児期編
0~1ヶ月
はじめてのお世話レッスン
抱っこの仕方
新生児は、首をしっかり支えてあげることが大事。
1.赤ちゃんの首を下から支える
2.もう片方の手をおしりの下に
3.ママの体を赤ちゃんに寄せて
4.腕を赤ちゃんの股の間に入れて
NGわきを持って抱き上げないで!
両わきを持って抱き上げるのは首がすわる前の赤ちゃんにはとても危険です。首がしっかりすわるまでは、必ず首を支えて抱き上げましょう。
ポイントおろして寝かせる時はおしりから!
おしりから背中、頭の順に静かにおろします。
体の発達
- 手を握りしめている
- 唇にふれたものに吸い付く
- 思うように体を動かせない
五感
- 光をまぶしそくにする
- びっくりすると両手を広げる
- 見つめると、見つめ返します
心の発達
- あやさなくてもほほえむ(生理的微笑)
- 不安や不快は泣いて訴える
- 泣いても抱くとしずまる
1~2ヶ月
沐浴を卒業して、大人と一緒のお風呂に入れるようになります。
赤ちゃんは一番風呂に入れ、湯冷めに注意しましょう。
体の発達
- うつぶせで頭を動かす
- こぶしを口に持ってく
- 両わきを支えると足を動かす
五感
- 大人の目元や口元を見る
- 左右50度くらいまで追視
- 音のする方に顔を向ける
心の発達
- 声をかけると泣きやむ
- 大人の表情のまねをする
- 「アー」「クー」などの声を出す
うつぶせ寝とSIDS(乳幼児突然死症候群)
健康であった乳幼児が何の予兆もないまま、突然死んでしまう病気。日本では2000人に1人の赤ちゃんが、この病気でなくなっています。
うつぶせ寝の時の方が発症しやすいことがわかっており、今ではうつぶせ寝はすすめられていません。
2~3ヶ月
この頃から意識的に赤ちゃんの生活リズムをとののえることを始めましょう。朝はカーテンをあけて朝日を浴び、日中は散歩や遊びの時間を増やし、夜は一定の時間に部屋を暗くして寝かしつけます。
体の発達
- 細いガラガラなら握れる
- うつぶせで少し頭を上げる
- 首を支えればたて抱きもOK
五感
- 自分の手を短時間見つめる
- 自分のこぶしをなめる
- 人の声のするほうを見る
心の発達
- 近くの興味があるものを見る
- 大人の声かけに声でこたえる
- あやすと笑うようになる
3~4ヶ月
毎日夕方になると泣き出す子も。
これは「3ヶ月コリック」「たそがれ泣き」と呼ばれ、原因はわかりませんが、病気ではないので心配はいりません。
体の発達
- 握りやすいものをつかむ
- 持ちやすいものを振る
- うつぶせで頭を持ち上げる
五感
- 自分の手をジッと見る
- 動く人や物を追視する
- 少し離れたものを見る
心の発達
- くすぐると笑い声をあげる
- 外野への関心が芽生える
- 声を出してアピール
4~5ヶ月
生活のメリハリをつけることで離乳食はスムーズにスタートできます。
体の発達
- すっと首を上げられる
- 立たせると足を突っ張る
- 腰をひねって足を交差させる
五感
- 手で持ったものをなめて確認
- 追視の範囲が180度に広がる
- 音や声の方向を振り向く
心の発達
- ほしいものに手を伸ばす
- あやすと声を出して笑う
- ママの声を聞き分ける
5~6ヶ月
この時期、多くの赤ちゃんは離乳食をはじめます。また、このころの赤ちゃんにとって、外遊びは欠かせません。外の世界に触れることは赤ちゃんにとっての刺激になり、よい運動になります。
体の発達
- ゆっくりと寝返りができる
- あおむけで下半身を上げる
- 飛行機のようなポーズをとる
五感
- 手を伸ばして物をつかむ
- 視線をしっかり合わせる
- 離乳食で味覚も育つ
心の発達
- 鏡に映った自分を見る
- あやすとよく笑う
- 声まねにこたえて声を返す
6~7ヶ月
離乳食は2回に。昼間はたっぷり遊ばせ、夜は決まった時間にねかせましょう。「1日は決まったパターンで流れていく」ということを赤ちゃんにも教えてあげて。規則的な暮らしのリズムは、心と体の成長にたいせつです。
体の発達
- 手をついておすわりできる
- 寝返りでごろごろ移動
- 顔の上のハンカチをとる
五感
- ラジオから流れる音に反応
- 食事体験で味覚が広がる
- 手で持ったおもちゃをなめる
心の発達
- ママの顔を見てニッコリ
- 「いないいないばあ」を喜ぶ
- 声を出して欲しいものを示す
7~8ヶ月
ほしいものがあると、腹ばいでお腹を床につけ、ずりばいで前に進む赤ちゃんも出てきます。「ほしい」という好奇心は、赤ちゃんの発達の原動力です。
体の発達
- ずりばいをする
- 親指と残りの4本の指でつまむ
- 手で支えてなくてもおすわり
五感
- 日用品などに興味しんしん
- 歯が生え始め、歯ぐきがかゆい
- 座って手を伸ばし物をつかむ
心の発達
- はっきり人見知りをする
- ほしいものを「とって」の声を出す
- 夜泣きが始まる
8~9ヶ月
この時期、大人の最大の仕事は「赤ちゃんの安全管理」。「まだここまでは来ないから大丈夫」は禁物です。
体の発達
- はいはいをする
- 持ったものを持ちかえる
- 両手でマグを持つ
五感
- 名前を呼ぶと振り向く
- 音が出るものを喜ぶ
- 食べられるものが増える
心の発達
- ほしいものを手でさし示す
- ダメと言われるとやめる、泣く
- 隠れたおもちゃを見つける
9~10ヶ月
危険なことをした時は、言葉で教えてあげましょう。言葉の理解が深まったら、そろそろ絵本を楽しんでみても。カラフルな色使いで単純な絵が描かれているものがおすすめです。
体の発達
- つかまり立ちをする
- 四つんばいで動き回る
- 物を打ち合わせる
五感
- 指しゃぶりをする
- 音を合わせて体を揺する
- 手掴み食べしたがる
心の発達
- 見てほしいものを指さす
- バイバイなど大人のまねをする
- あと追いがますます激しく
10~11ヶ月
大人の言うことを理解し始めるだけでなく、赤ちゃん自身も「言葉」を発しています。
伝えたい言葉はいっぱいなのに、まだ言葉で表現できないのです。大人はぜひ、赤ちゃんの気持ちを言葉に置き換えてあげましょう。
体の発達
- 伝い歩きをする
- 階段を上る
- 日本の指で物をつまむ
五感
- なんでもつかんで口の中へ
- 大人の出す音をまねする
- 食べムラがでることも
心の発達
- 引き出しの中のものを出す
- ひとりで集中して遊ぶ
- 自己主張で泣いてイヤイヤ
11ヶ月~1才
言葉の理解が進んでくる時期です。赤ちゃんの言葉はまだムニャムニャとしたおしゃべりですが、よく聞くと意味のある言葉を使っている場合もあります。それぞれの家庭でよく使っている言葉が出やすいようです。体の発達
- 数秒間ひとりで立てる
- 押したり、回したり
- 積み木を2つ積めるように
五感
- 大人の言葉をまねする
- 離れたものはまだ見えない
- 足の感覚を妨げない靴選びを
心の発達
- 「どうぞ」などの言葉に反応
- 追いかけると喜んで逃げる
- 大人の言葉をまねたがる
⏬乳児の子育てのアドバイス抜粋⏬
3歳くらいまでは指しゃぶりをしても歯に影響はないとされています。
歩行器で足腰が弱くなる、背骨が曲がるなどということはありません。
人間の足が完成するのは18際頃、赤ちゃんの足はやわらかいので合わない靴でもはけてしまいますが、それは足の正しい成長を阻害することにもつながります。ファーストシューズを購入する時はできればシューフィッターのいるお店で、足に合った靴を選んであげましょう。
写真付きでとてもわかりやすく発達の説明がされており、あるあるのQ&Aも大きく頷ける内容ばかりでした。
乳児はSIDS(乳幼児突然死症候群)のリスクや熱性けいれんなど、初めての育児ということもあり、毎日神経を削ってました…
乳児を育児中の親御様は毎日お疲れ様でございますm(_ _)m
続いては一歳~の幼児期
1才~1才3ヵ月
まだ言葉がでなくても心配しないで。言葉は「わかる」と「言える」の2つの発達がありますが、「わかる」ができてきていれば「言える」が遅くても問題はありません。
体の発達
- ひとり歩きが始まる
- クレヨンでなぐりがき
- 物を持って立ち上がる
五感
- 実体験で外界を認識する
- 知っているものを指さす
- 原色以外の色も認識
心の発達
- 意味のある言葉を言う
- ほめられたことを繰り返す
- 日常の道具で大人のまねをする
てこずる「イヤイヤ!」大人がイラつくと逆効果に
イヤイヤ期は自我の芽生え、心の成長に欠かせない大事な段階なのです。「イヤイヤ」の理由を探り、危険なことなど「ダメ!」と言わないですむ環境をつくる、それでもダメなら赤ちゃんを別のところへ連れていって気分転換させるなどの工夫をしましょう。
言葉を増やす環境をつくり、外に連れ出して経験を積んであげて
外の世界にもこれまで以上に興味を示します。散歩に出たり、公園で遊ぶなど、できるだけ自然や人とふれ合う経験を積ませてあげましょう。可能な限り赤ちゃんがしたいようにさせ、満足させてあげることが、赤ちゃんの自信を育てます。
1才3ヵ月~1才6ヵ月
これからは歩く、走る、跳ぶなど、大人がヘトヘトになるほど落ち着きなく動き回りますが、こうして自分の体の使い方を覚えていくのです。体の発達
- ひとりでじょうずに歩く
- ボールを転がす
- スプーンを握り持ちで食べる
五感
- 大人が指さした方向を見る
- 音の違いを聞き分けられる
- 好き嫌いが出てくることも
心の発達
- 気に入らないとかんしゃく
- 生活習慣をまねて覚える
- 家族以外の人とも交流
ルールや社会習慣を教える「しつけ」を始めて
公園や児童館なのでほかの子との交流も増えるこのころから、社会のルールを教えていくことも必要になります。
まずは大人が、言葉づかいや行動でお手本を見せることがたいせつです。
外に出て、同世代の子どもとふれ合う機会を増やし、遊びの中のルールも教えて。
言葉が出ない場合、テレビや、ビデオを長時間見せていないか確認してみましょう。また、大人が赤ちゃんに話しかけることが少ないと、言葉が遅くなる場合もあります。
テレビを消して、赤ちゃんにたくさん話しかけてあげて。
1才6ヵ月~2才
ひとりで歩き、離乳食は幼児食へ。言葉のゆっくりめな子も、一語でも出ていたら心配無用。これまで蓄積していた言葉が溢れるように出てくる日が来て、驚かされます。
体の発達
- スタスタ歩いたり走ったり
- 台の上から飛び降りる
- 積み木が4個ほど積める
五感
- 遠くを見る
- 簡単な形のパズルができる
- 歌ったり踊ったりする
心の発達
- ニ語文が出始める
- 大人のまねをしてお手伝い
- ほかの子に興味を持つ
公園や児童館へ連れていって体を動かす機会をつくってあげて。「危ないからダメ!」を言われずに思いっきり遊べる場所へ連れていくのです。外へ出るとほかの子とふれ合う機会もでき、運動やコミュニケーションの意欲がふくらみます。
家の中でテレビやビデオを見てばかりだったり、親とだけ遊んでる子の中には、言葉が遅い子がいます。いろいろな人と接する機会を。
離乳食について
赤ちゃんの体は- 消化酵素が不十分
- 免疫機能が不十分
- 体の各機能が不十分
- 腸内細菌が不十分
⏬
大人と同じ食事ではなく離乳食が必要
⏬
大人と同じ食事ができるようになるのは8才以降
知っておきたい7大ポイント
1.食事の楽しさを伝えよう
2.食品は加熱するのが原則
3.はじめての食品、たんぱく質を与えるときは慎重に
4.味つけはしないか、ごく薄く
5.離乳食タイムは一定に
6.量は赤ちゃんの意欲に合わせよう
7.栄養バランスを意識して
4つのステップ
ゴックン期…5~6ヵ月ごろ
モグモグ期…7~8ヵ月ごろ
カミカミ期…9~11ヵ月ごろ
パクパク期…1才~1才6ヵ月ごろ
アレルギーの心配がある子が注意したい食品
大豆・米・玄米・そば・山いも・肉・ピーナッツ・ごま・キウイ・たら・青背魚・えび・ゼラチン
椅子にきちんと座って落ち着いて食べられるようにぬるのは3才ごろから。それまでは最低限のルールを教える程度と考えましょう。
予防接種
定期接種(原則無料)
BCG⏩結核
結核菌の感染で起こり、乳幼児では大人のようにせきは出ず、発熱が続く。
低月齢で発症すると、結核性髄膜炎など、重症化しやすく、重い後遺症が残る場合もある。
ヒブ⏩ヒブ感染症(細菌性髄膜炎など)
ヒブは重症の感染症を起こす細菌で、代表的なものが髄膜炎。日本では年間600人がかかり、5%が死亡、20%に後遺症が。初期診断がむずかしい病気だが、予防接種による発病予防効果は高い。
肺炎球菌⏩肺炎球菌感染症(細菌性髄膜炎など)
肺炎球菌に感染することで起こる。
大人は肺炎を起こすが、2才以下の乳幼児が感染すると、中耳炎や細菌性髄膜炎を発症するケースが多い。日本では年間200人がかかり、約10%が死亡、30~40%に後遺症が残っている。
DPT-IPV(四種混合)⏩ジフテリア・百日ぜき・破傷風・ポリオ
ジフテリアは発病して重症化すると呼吸困難や神経マヒを起こすことが。百日ぜきはせきが長く続き、乳児は重症化しやすい。破傷風は筋肉の硬直や呼吸器マヒの危険がある。ポリオは手足にマヒがおこり、後遺症として一生残る場合がある。
MR(二種混合)⏩はしか・風疹
はしかは「命さだめ」という別称もあり、子どもの感染症では最もこわい病気のひとつ。風疹ウイルスに感染するとはしかに似た発疹が出るため「三日ばしか」とも言われる。
風疹は妊娠中のママが感染すると、胎児に先天性風疹症候群が起こる可能性がある。
日本脳炎⏩日本脳炎
日本脳炎ウイルスに感染して起こる脳炎で、東南アジアで多く見られるが、日本でも年間数名~10名程度の患者が発生。
2009年6月初旬から、Vero細胞を用いた新しい脳炎ワクチンが供給された。発症状況により定期接種ではない地域も。
任意接種(原則有料)
B型肝炎⏩B型肝炎
B型肝炎ウイルスの感染で起こる肝炎。ウイルスキャリアのママから生まれた赤ちゃんにワクチンを接種する場合は、原則として健康保険が適用される。
ロタウイルス⏩ロタウイルス性胃腸炎
激しい下痢と嘔吐などが主な症状。脱水症や脳炎などが起きる場合もある。
※2020年10月以降は定期接種に!!
水ぼうそう⏩水ぼうそう
水疱ウイルスの感染で起こり、かゆみを伴う水疱が徐々に水疱に変わり、全身に広がる。
37~38度台の発熱があることも。合併症は少ないが、まれに肺炎、脳炎、ライ症候群などを起こすことがある。
おたふくかぜ⏩おたふくかぜ
ムンプスウイルスの感染で起こり、発熱したあと、耳のつけ根からあごの下がはれる。100人に1~2人程度は無菌性髄膜炎を合併したり、難聴の後遺症が残る可能性が。大人になってから感染すると重症化しやすい。
インフルエンザ⏩インフルエンザ
インフルエンザの感染で起こる。発熱、のどの痛みなど、かぜに似た症状だが、より重症になりやすく、40度以上の高熱や頭痛、筋肉痛、全身の倦怠感なども見られる。
乳幼児や高齢者では、脳症や脳炎などの合併症もあり、命の危険も。
症状別主な病気
発熱が主症状の主な病気
発疹が主症状の主な病気
下痢・嘔吐が主症状の主な病気
せきが主症状の主な病気
これだけでもとても為になる情報ですが、もっともっとこれでもかというほど育児のあれこれが詰め込まれていました
個人的には育児にまつわるお金の話が勉強になりましたφ(..)
育児という幅広い分野に的確に必要な情報だけが載せられた一冊でした。それでは再见👋